ハピネス労務ニュース/最近の動き

ハピネス労務ニュース(令和6年4月8日) 

 

 労災は、仕事中のケガをいうのですが、そもそも仕事とは何を言うのでしょうか。労災でいう仕事、哲学的な意味での仕事、人生の上での仕事など、様々な意味があるでしょうが、今回は、会社で従業員がやるべき仕事、を考えてみたいと思います。

 この意味での仕事というのも、これもまた種々あるのですが、ざっくりいえば、業務命令にもとづく行為、ということができます。

 たとえば、うちの従業員は休日でも自主的に会社にきて仕事をしている、すごい!

という社長がいらっしゃいます。しかし、これが正真正銘、従業員の自発的意思によるものだとすれば、いわゆるボランティアともいうべきもので、仕事とはいえません(給料が発生しない!)。

 

 もっとも、実際には、仕事をするように、という業務命令があったから出勤した、つまり仕事である、と解釈されることがほとんどだと思います。仕事しろと言ってはいないかもしれませんが、業務命令は黙示でも認められてしまうからです。

 

 では業務命令とは何か?

業務命令とは、業務遂行のため、使用者が従業員にする指示・命令をいいます。

業務命令により行う従業員の行為、これを仕事と言って差し支えないと思います。

いちいち指示・命令しない仕事とはいえないのか? というとそうでもありません。

上で書いたように、黙示でもよいからというのが理由の一つでもあります。

つまり、状況にもよるのですが、仕事には、いちいち具体的な指示は不要ということができます。しかし、これは法律上のことで、現実とは多少違ってきます。

 

 新入社員についてのアンケート回答なのですが、仕事上での抵抗感ナンバーワンは、「指示が曖昧なまま作業を進めること」とのことです(出典:2023年度「新入社員意識調査」(一般社団法人日本能率協会)。いちいち具体的な指示をしてくれよ、ということですね。なお、理想的な上司・先輩は、「仕事について丁寧な指導をする上司・先輩」だそうです(出典:同上)。仕事は見て覚えろ、わかりきったことをきくな、ではもうダメでしょう。

 自発的に仕事をする従業員が欲しい、という会社は多いと思います。ほとんどの会社がそうかもしれません。ですが、そのためにはまず、会社の方から、具体的かつ明確な指示をだして、そこから流れを覚えさせるなどする。その後で、次第に自発的に考えていくようにしていく・・・というように段階を踏ませていくことが大事だと思います。

 

 本日もお読みいただきありがとうございます。

 


                    


最近の動き


●実質賃金 2カ月連続プラス(9/6)


 厚生労働省が5日に発表した2024年7月の毎月勤労統計調査(速報)によると、実質賃金は前年同月比0.4%増え、2カ月連続プラスとなった。前月に続き賞与の増加が寄与することによってプラスを維持した。また、名目賃金は同3.6%増で、31カ月連続で増加した。



●家事使用人 労基法適用対象へ(9/4)


 厚生労働省は、4日の労働基準関係法制研究会に対し、個人宅と直接労働契約を結ぶ家事使用人(家政婦)を労働基準法の適用対象とする案を提示し、概ね了承を得た。法制定時に比べ働き方が「住み込み」から「通勤」に変化したことなどから、法的に保護する必要があると判断した。今後、労働政策審議会で法整備について議論される見通し。



●都道府県別の男女賃金格差を初公表(9/2)


 厚生労働省は2日、政府のプロジェクトチームにて、都道府県別の男女賃金格差について、フルタイム勤務者どうしの比較を数値化したものを初めて公表した。男性の賃金を100としたときの女性の格差が最も小さかったのは高知県で80.4、最も大きかったのが栃木県で71.0だった。全国平均は74.8だった。同省は、平均勤続年数の男女差が小さく、女性管理職の割合が高い地域などは賃金格差が小さい傾向であると分析している。



●7月の有効求人倍率は1.24倍(8/30)


 厚生労働省の30日の発表によると、7月の有効求人倍率(季節調整値)は1.24倍(前月比0.01ポイント増)と4カ月ぶりに上昇した。賃上げする企業が増え、現在の職場にとどまろうとする動きが出て、求職者が前月比で0.9%減少した。一方、総務省が同日発表した同月の完全失業率は2.7%(同0.2ポイント増)となり、5カ月ぶりに悪化した。




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